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「人生はブレていい〜正しい罪悪感のはぎとり方〜」

「お坊さんの修行に学ぶていねいな生き方、暮らし方」

「理工学部卒のお坊さんが教えてくれた、こころが晴れる禅ことば」

多くの人々の心をつかんだ、この3冊の書籍を執筆した僧侶をご存知だろうか。

泰丘良玄(やすおか りょうげん)。愛知県・泰岳寺(たいがくじ)の副住職である彼は今、テレビ、ラジオ、書籍、WEBなど様々なメディアに引っ張りだこのイケメン僧侶だ。

仏教系大学である花園大学に入学する前に慶応大学理工学部卒業という異例な経歴を持つ彼は、Amebaブログや講演活動を中心にイマドキの感覚でお坊さんと仏教の世界を発信している。

エレクトーンやフットサルも嗜む、今までにないフレッシュさが魅力的な彼は、どんな僧侶なのだろうか。

僧侶にはなりたくなかった。パイロットの夢の挫折を経て慶應義塾大学へ

臨済宗妙心寺派・泰岳寺の長男として生まれた泰丘だったが、小学生の頃は実家のことを友達にいじられ僧侶の道に進むことを嫌がっていた。

当時思い描いた将来の夢はパイロットだったが、両親からは見事に反対された。

実家を継ぐことを諭されたが、泰丘の出したのは「お寺と関係のない世界に行く」という反発のこもった答えだった。

夢を否定された悔しさを原動力に理系の勉強にのめり込み、慶応大学理工学部情報工学部に合格。

期待を胸に上京した泰丘だったが、内心では「僧侶になりたくない気持ち」と「僧侶になるしかない気持ち」が揺れ続けていた。

学生時代は自由な生活が許されていたものの、慶応大学を卒業する年齢を迎えると実家から「僧侶になるなら修行は早く始めないと後で困るぞ」と忠告を受けるようになる。

せっかく得た学歴から就職も検討したものの、僧侶として修行する道をまず選ぶことにした泰丘は、卒業後の進路を京都・花園大学に、そこで仏教の勉強を始める。

関西への進学。待っていた温かな環境で「仏教の楽しさ」を知るように。

東京から関西へ行く際に、抱いていた関西のイメージから「いじめにあうのでは」と恐れていた泰丘。

しかし待っていたのは上京してきた自分に対し、先輩がベッドを譲ってくれるようなアットホームな環境だった。

「関西の人って壁を作るなという価値観なんですよ。東京から来た自分に『遠慮するな』と言ってくれたのが嬉しかったですね。

思っていたのとは違う温かな環境下で学び、考え方も変化が現れるように。

例えばある講義では「不殺生戒(ふせっしょうかい)」を扱っており、生き物を殺してはいけない理由は心が劣化するからであり、手を洗った際にばい菌を殺しても心が劣化しないことから不殺生戒にならないのだと知った。

今まで嫌っていた仏教の世界が「実はとても論理的な価値観でできている」と知った泰丘は真剣に学ぶようになった。

そしてその論理的な世界を学ぶうちに嫌っていた仏教の世界が好きになり、大学在学の2年間とその後の3年間での修行を終えた際、大きな達成感を感じた。

挫折したかつてとは違い、自らの意思で僧侶としてのキャリアをスタートできる。そのことに心から喜びを感じたという。

僧侶の世界を伝えるブログ。それが様々なメディア出演と人々とのつながりへ

27歳で泰岳寺に帰った泰丘は、これまで学んできたものをこれからは社会に還元したいという思いを強く抱いていた。

そこで始めた最初のアウトプットが「僧侶の世界を社会に伝えるブログ」だった。

僧侶の世界の衣食住など、学ぶ前はわからないことだらけだった自身の経験から「僧侶と一般の人々の違い・仏教の面白さ」をWEB上で発信したいと考えたのだ。

仏教の世界観では難しい表現が多かったので、自分のブログはわかりやすさを追求。絵文字を多用することで敷居を低くし、多くの人に親しめるようにした。

その活動がまず出版社の目に止まり、書籍執筆のオファーがきた。

さらに続けて2014年にテレビ朝日から「ぶっちゃけ寺」への出演依頼が。

それを封切りにフジテレビ「バイキング」、名古屋テレビ「アップ!」のコメンテーター、FMラジオ番組「MORNING CHARGE」にも出演するようになり、泰丘の知名度は一気に上がった。

舞い込んでくる依頼を選り好みせずに受けたおかげで、情報発信の機会は広がるようになり、また人と人との縁も次々と出来ていった。

出演する番組スタッフから泰丘との共演を通し知識を得て「仏教って面白いですね」とを言ってもらい、とても嬉しかったという。

外の世界へ聞きに行き、伝える。「仏教の楽しさ」が現代の人々を救えると信じて

かつて自身が僧侶になることに苦悩した経験から、メディアや講演活動を通し「聞くこと」を重視している。同時に自分からも心を開くことも大切だと語る。

「ただでさえ僧侶は市民から見ると取っ付きにくい存在なので」

メディアに出演するようになったことでこの壁はずいぶん取り払われ、普段は話さない地域の人から声をかけてもらえるようになった。 番組を観て寺に来てくれるようにもなった人の中には、広島や仙台といった遠方からの人も。

泰丘は、著書の中で「現代人は近所付き合いをしないけど、SNSではつながりを求めてしまう。その結果生じる心の闇やストレス、悩み、苦しみを解決する方法が必ず仏教にはある」と語っている。

かつて自身も仏教の価値を信じず、その結果として夢見た進路を反対されるなど多くの挫折を経験した。

しかし、その挫折を経て多くのことを諦めることで気づいた「仏教の楽しさ」。その教えで救われる人が増えることが、僧侶である自分ができることだと強く信じているという。

だからこそ、その「仏教の楽しさ」を知っている僧侶が寺の中で人々が教えを請いに来るのを待っているべきではない。

もっと外の世界に出て人々の話を聞きに行く。そしてかつて臨済宗僧侶であった一休さんのように「これでいいのだ」と悩みを持つ人に伝えたいと強く語る。

そんな泰丘を支える妻は泰丘以上にサバサバしている性格で諦めが良いという。

「まるで泰岳寺の仏様のような存在ですね」愛情に満ちた顔で泰丘はそう語った。

―インタビュアーの目線―

「仏道に素直で真面目な人」

泰丘さんと初めて会って感じたイメージです。

両親に反対しながらも心の中で僧侶の道を断ち切らなかったのは、人の気持ちに向き合える素直な性格だからでしょう。

関西の大学で出会った、お寺の生まれの仲間たちともすぐに打ち解けたり、仏教は難しいと言いながらも花園大学・佐々木閑教授の仏教学に陶酔するなど、泰丘さんの素直さと真面目な姿勢が、自身の想像より早いスピードで結果に結びついたのだと思います。

ご自身が親になって初めて気付いた、子供の将来を思う気持ちなど、人情熱いところも見せてくれた泰丘さん。

泰岳寺に来てくれた人には、泰丘さんお得意の格段に人懐っこい表情を見せてくれることでしょう。

プロフィール

泰丘 良玄(やすおか りょうげん)  36才

愛知県春日井市/臨済宗妙心寺派 寶雲山泰岳寺 副住職

臨済宗妙心寺派布教師

1983年愛知県生まれ

慶應義塾大学理工部情報工学科を卒業後、花園大学文学部国際禅学科を卒業。

特技はエレクトーンやフットサル、ダイビング、ファッション、映画鑑賞にも興味を持つイマドキの感覚で伝える講演は老若男女問わず人気が高い。

著書:

「人生はブレていい〜正しい罪悪感のはぎとり方〜」

「お坊さんの修行に学ぶていねいな生き方、暮らし方」

「理工学部卒のお坊さんが教えてくれた、こころが晴れる禅ことば」

メディア出演:

<TV>

・テレビ朝日「ぶっちゃけ寺」

・フジテレビ「バイキング」、名古屋テレビ「アップ!」コメンテーター 等

<ラジオ>

FM東京、FM愛知、ZIP FM「MORNING CHARGE」 等多数出演

泰岳寺 https://www.taigakuji.net