メニュー 閉じる

開教師として、ハワイで7年半活動する傍ら、日本語学校の校長、各種文化クラブ(お茶・柔道・剣道・空手・カラオケ教室)を主催。

帰国後は、瑞岩寺で副住職に就任するも、その傍らで保育園経営に着手。

能動的な行動力があり、生身の人間に喜んでもらうため、しっかりと目の前にいる人間と向き合う僧侶がいる。

「保育園経営もそうですが、直接園児に向き合う。生身の人間に喜んでもらうことを常に意識しています」

そう語るのが、今回紹介する長谷川俊道(はせがわ しゅんどう)だ。

お寺のHPを覗いてみると、「すべての人に佛さまの智慧と慈悲を」という理念が書かれている。

「誰のための活動というのは特にないんですよ。ご縁のある人すべてに向けて、自らを幸せに、周りの人を幸せに、そして円満に」そう語る長谷川俊道。

「仏教は生きるためのツールなんです」そう語る彼は、どのような活動をし、どのような人間性を持つ僧侶なのだろうか?

保育園経営をする僧侶〜園児に向き合う経営方法とは

開教師として7年半、ハワイで過ごした後、日本に帰国した長谷川。

実家の瑞岩寺で副住職として就任したが、保育園の経営状況の悪さに驚愕したという。

元から経営に興味があった長谷川は、保育園再建に向けテコ入れを開始した。

「インターネットで目についた保育園が、ISO9001を取っていたんですよ。すぐさま連絡を取り会いに行き、やり方を教えてもらいました。

それを投入し、『顧客満足度、従業員満足度を上げましょう。園児を増やして収入を増やしましょう』としたところ、今では顧客満足度が95%まで上昇しました(当時は56%だった)」

長谷川が経営再建のテコ入れをする前、経営状況が悪かった頃は「いかに補助金をもらうか」と、お役人の方を向いて経営をしていた。

補助金をもらうため、お役所の言うことばかりを聞くのではなく、目の前の園児に真摯に向き合い顧客満足度を上げることを優先した。

TVでヨコミネ式教育についての放送を見た長谷川は、興味を持ち鹿児島県まで見に行ったという。

子供達の将来にとって良いもの、効果的なものを取り入れ、保育環境の改善を積極的に行う。

顧客満足度が向上した背景には、長谷川の弛まない努力と、目の前の人と向き合う真摯な心があるのではないだろうか。

全ての人に佛さまの智慧と慈悲を〜著名人も訪れる瑞岩寺

長谷川は誰のために活動をしているのか?どのような人と関わってきたのか?そんな問いかけに、こう語ってくれた。

「“誰のため“というのは特にないんです。ターゲットというのも考えたことがありません。お寺の理念は『すべての人に佛さまの智慧と慈悲を』。つまり、仏教の智慧と慈悲で、自利・利他・円満を目指すことです。

自分が幸せになることは他人の幸せにもつながり、他人の幸せが自分の幸せにもつながります。そして、地域が円満になること。それがお寺の役割です。」

対象とする人をあえて決めないことで、いろんな人がやって来る。すると、お寺の空気が入れ替わっていくのだという。

そんな瑞岩寺には、多くの著名人が来寺して、コンサートや法話会を開催している。

(※著名人紹介:鳥越俊太郎さん、水谷修さん(夜回り先生)、米良美一さん、姜尚中さん、横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長)、青木新門さん、ひろさちやさん、新井満さん、中島啓江さん、南直哉さん、小池龍太郎さん他多数)

このような著名人を招いて、コンサートや法話会ができるのはなぜだろうか?質問を投げかけたところ、瞬時に「簡単ですよ!呼べばいいんです(笑)」との返答が返ってきた。

しかし、呼んだところですぐに来てくれるものだろうか?

「好き!好き!光線を送るんです。人は、好き!好き!光線には勝てません。まず手紙を書いて、著書を一緒に送っています。するとほとんどの人が来てくれるんです」

お寺に著名人が来ることで、お寺の価値が上がり評判は良くなる。そして何より一番は、檀徒さんたちが喜んでくれるという。

お坊さんになった経歴〜ハワイでのこと

小さな頃からお寺を継ぐというプレッシャーはなく、祖父も厳しい人ではなかった。

駒澤大学仏教学部卒業後は、福井県の永平寺で3年余り修行していた長谷川。お坊さんになると決めたキッカケは永平寺の修行で出会った僧侶に惹かれたからだと言う。

素晴らしい人徳を持つ人に出会うという、大きなものを得た長谷川だが、修行を通じて得たことはもう一つある。

「永平寺にいると、五感が研ぎ澄まされるんです。坐禅をしていると、鳥の鳴き声、川のせせらぎ、杉の葉が落ちる音、それしか聞こえなくなるんです。なんどもそれを積み重ねていくと、線香の灰が落ちる音までわかるようになりました。」

生きていると、情報や悩みや思いが多く、聞こえていないもの見えないものが多い。すべてを削り落とすことで「これでいいんだ」と思えるようになったという。

その後は、東京・東久留米のお寺を経て、ハワイのパールハーバーのお寺へ赴任した。

ハワイで開教師として過ごす傍ら、日本語学校の校長や坐禅会、梅花講、写経会など各種文化クラブ(お茶・柔道・剣道・空手・カラオケ教室)を主催。

7年半ハワイで住職として過ごした後、実家の都合で日本へ帰国した。

「海外へ行って良かったと思うのは、日本の良さを痛感できたことですね。海外にいると、日本のお坊さんがいかに恵まれているのかが分かります。日本人ですから、法話もやはり日本語の方がやりやすいですしね。」

現在の活動と今後について

「僕ね、今度、温泉を掘るんですよ」

しれっと語る長谷川に、衝撃を受けた。お寺に温泉を掘り、グループホームにしたいと語る長谷川。

今までは、すべて別々の施設として作っていたが、一つにまとめることで皆の良いところが出る。「お寺に行けば何とかなる、仲間もいる、生活もできる」そのような場を作りたいと言う。

「コンセプトは『ごちゃ混ぜ』。障害者福祉・保育園・介護・特別養護老人ホーム(特養)・サービス付き高齢者向け住宅・訪問看護・カフェ・居酒屋・フィットネスの施設など、お寺に生活経済圏を作ろうと思っています。多様な人とみんなで集まって、お寺を交流できる場にするんです。

行政は税金があればやりますが、特別扱いできない職種でもあります。しかしお坊さんは、お寺に来た人すべてを特別扱いできます。お坊さんにしかできないことは絶対あります」

―インタビュアーの目線―

『保育園経営をしている僧侶』という前知識から、どのような僧侶なのか興味深い方でした。

インタビューでの受け答えから、経営者として能動的に活動されている印象を持ちましたが、同時に目の前の人としっかり向き合う素晴らしい方であるとも感じました。

現状に決して満足することなく、効果的なものは取り入れ、環境の改善に常に取り組む姿勢をもつ長谷川さん。

今後、益々ご活躍されることでしょう。

プロフィール

長谷川 俊道(はせがわ しゅんどう)52才

群馬県太田市/曹洞宗慈眼山瑞岩寺 住職

毛里田こども園園長

社会福祉法人毛里田睦会理事長

天文12年(1543年)創建の瑞岩寺住職

社会福祉法人毛里田睦会理事長

1967年、群馬県生まれ。

駒澤大学仏教学部禅学科中は芝の青松寺にて小僧として住み込み生活。卒業後、福井県の永平寺で3年余り修行。修了後は永平寺から群馬の自宅まで1か月かけて托鉢しながら帰宅する。その後、東京・東久留米のお寺浄牧院を経て、ハワイのパールハーバーのお寺(真珠山太平寺)七世に赴任。曹洞宗ハワイ別院正法寺にも勤務。日本語学校校長や各種文化クラブ(お茶、柔道、剣道、空手、カラオケ教室)を主催、海外の葬儀方法や風習、ベットサイドサービスなどの英語のお経や教化布教に驚き、お寺が財務公開していることや葬式の安さ(1回100ドル)などにカルチャーショックを受ける。ハワイ開教師として7年半ハワイで住職として過ごした後、日本に帰国し、実家の瑞岩寺の副住職に就任するも保育園の経営状況の悪さに愕然とし、まずは補助金に頼らない保育園経営に着手。群馬県の保育園で初めてISO9001を取得するなど顧客満足度の向上に取り組み、当時56%だった顧客満足度が95%まで上昇。今では他県からも園児がやってくるほどの人気保育園となる。また、お寺の改革についても、お寺でコンサートやライブ、講演会を主催したり、周囲の大反対を押し切って収支計算書をホームページにアップし、財務諸表を檀家にペーパーで配布するなど、伝統的なお寺としてはありえない新奇の経営を断行。モットーは、すべての人に「あなたに会えてよかった」と言われること。現在、「 HASEの金曜聴きこみ寺」というポッドキャストの番組を持ち、人生相談・悩み相談も行っている。現在は、境内NPO法人瑞光会を立ち上げ、孤独死や生活保護の方の葬儀納骨を請け負う。夢は障害者支援センター、デイケアサービスなどの複合施設を建設し、フードバンクやこども食堂など地位の人々の「生老病死」の四苦に真摯に寄り添うお寺を実現すること。

テレビ出演:テレ朝『ぶっちゃけ寺』、 NHK『 Rの法則』、フジテレビ『バイキング』など。

瑞岩寺 https://www.zuiganji.com/

毛里田こども園ホームページ  https://www.moritahoikuen.com

社会福祉法人 毛里田睦会 https://www.morita-mutsumikai.com

Podcast HASEの金曜聴きこみ寺」http://podcast5.kiqtas.jp/kikikomi

寺子屋ライブ(講演会の音声データ)https://www.zuiganji.com/zuiganji/terrakoya-live/