地域全体で一緒に成長すると、文殊仙寺もさらに上へ行ける
2018年、秋吉は「六郷満山開山1300年」の各種プロモーションを主導した。一部からは企画に対し批判の声もあり、落ち込んだこともあったそうだ。
しかし、六郷満山のひとつである富貴寺の住職から「やると言ったら曲げない性格のあなただから、ぜひやってください」とエールをもらい、とても励みになったという。
入寺以来、秋吉の様々な振る舞いや活躍を地域で目にしてきた僧侶の言葉からは、心底信頼されている様子が垣間見える。
秋吉は「私は誰よりも天台宗を愛しています」と同宗愛を示すと同時に、「他宗派の寺院とも分け隔てなく付き合っています」と強調した。宇佐神宮の例祭に他寺である文殊仙寺の秋吉が呼ばれたことも、他の宗教者から一目置かれていることの証左と言えるだろう。
秋吉は、常に「六郷満山地域全体での観光力の向上」を意識している。ひとつの寺院ができることには限界があるが、だからこそ地元住民の方々と関わったり、宗派を越えて協力するなど、様々な立場の人たちと一緒に切磋琢磨することが重要になる。
「それによって個々の寺や神社が輝いて地域全体がいまよりもっと良くなれば、結果的に文殊仙寺も利することにつながるからです」と語り広い視野をもつ秋吉は、地域にとって非常に貴重な人材であることがよくわかった。