お坊さん版知恵袋「hasunoha」~電話相談を選ばなかった理由は?
お悩みサイト「hasunoha(ハスノハ)」は、ネット上の掲示板で完結するいわば、Yahoo知恵袋のお坊さん版だ。
hasunohaを知りつつも、嶋田は登録するまでに半年間すえ置いた。質問も1カ月ほど考えてから答える慎重派だ。「hasunoha」で嶋田がアクトする理由はこうだ。
「文章を書くのは得意。お悩みホットラインのような電話相談や面談ではなく、文字で返答した方が相手にも伝わりやすいと思っている」
何を伝えたかよりも、相手に何が伝わったかの方が重要視される時代、文字で会話するのに何の抵抗もないSNS時代だからこそ、文字でのやりとりの方がお互いに素直な気持ちを語り合えるのかもしれない。
「葬儀で僧侶は泣かないの?」というhasunoha内での質問に、嶋田はこう答える。
「私個人は一般、親族にかかわらず法人・通夜・葬儀の場で涙を流した事はありません。悲しみを乗り越える、ということはしていません。うまく言えませんが「どうしようもなさ」を知ることです」(一部編集)
僧侶にならなければ、自分も同じような質問をしていただろうと語る。
もし僧侶になっていなかったなら、葬儀での僧侶イメージは、袈裟を着た舞台俳優が読経し、鉄のように冷たくパッと帰るイメージを持っていたそうだ。
「自分が抱いた悩みなんてちっぽけなもの。自身も仏教に救われたと思ったことはないが諦め方を仏教で身につけられてよかった。」
hasunohaでも相談者に言葉でよりそう嶋田の人の良さがにじみでており、優しさあふれる文章は好評のようだ。